ダイヤグラム

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運行ダイヤ から転送)
山陰線列車運行圖表 1949年9月15日改正、部分
平成19年3月18日改正の白新線羽越本線のダイヤグラム(部分)

ダイヤグラムダイヤとは、交通機関の運行計画を表現した線図である。また交通機関の運行状況を指してダイヤと言う(「ダイヤの乱れ」、「正確なダイヤ」など)。一般に、鉄道におけるそれが有名であるが、鉄道以外の交通機関(例:バスなど)においても使用される(運行図表とも言う)。また、ダイヤグラムから各駅における停車時刻の情報を抜き出し、表の形式で表現したものを時刻表という。通常、英語diagram は図形で視覚的に表現したものを指し、日本語における「ダイヤグラム」の主要な意味である交通機関の運行計画を図示したものという意味はない。

目次

[編集] 鉄道におけるダイヤ

ハコダイヤの例

一般に鉄道のダイヤグラムは、時間を横軸、距離を縦軸にとり、信号所名を縦軸上に配置したグラフ状の形態(ダイヤ図)である。逆に距離を横軸に、時間を縦軸にとったダイヤ図も用いられることがあるが、基本的な考え方は同じであり、以下では時間を横軸にとった形態を前提に説明する。下りの起点駅が一番上に配置され、ここを原点として距離は下向きに、時間は右向きに増加する。そして一つの列車は一本の線(スジ)で表現される。従って始発駅を出発した列車、すなわち下り列車は右肩下がり、反対に上り列車は右肩上がりの折れ線を描く。できるだけスジが直線となるよう、駅は通常駅間の距離ではなく所要時間に基づいて配置される。線の傾きは列車の速度を表し、速い列車ほど線の傾きは大きくなり、水平な線(傾き0)は停車を表す。

なお、上の形態に対して車両の運用乗務員の乗務スケジュール(行路)を示すために作成される「ハコダイヤ」、構内作業計画を行うための構内作業ダイヤと呼ばれるものがあるが、スケジュールや計画を鉄道の運行図表になぞらえた、あくまでも俗称であり、区別のために通常のダイヤグラムを「山型」と呼ぶ場合がある。ハコダイヤに関しては運用を参照。

[編集] ダイヤの作成

鉄道においては、路線ごとの輸送需要や輸送容量、車両の速度種別や運用効率、乗務員の運用等を勘案して作成される。所要時間については、車両性能や制限速度に基づき地点ごとの速度を表した運転曲線(ランカーブ)から基準運転時分を定め、そこに余裕時分を加えて決めている。普通列車と比べ、優等列車の運転時刻が優先的に決められる場合が多い。

手順としては最初に1時間ごとの大まかなダイヤグラムを作り、その後10分ごと数分ごととダイヤグラムを作っていき最終的には15秒単位の二分目ダイヤを作っていく。(横見浩彦監修の「鉄道の達人」を参考)

[編集] ダイヤ改正

輸送力増強や路線網の変更へ対応するため、ダイヤグラムの見直しを行う事をダイヤ改正という[1]。なお、旧日本国有鉄道(国鉄)・JRにおける個々のダイヤ改正については国鉄ダイヤ改正JRダイヤ改正の記事を参照されたい。

ダイヤ改正は、その規模により従来のダイヤを一旦白紙に戻して全て書き換える白紙改正と、従来のダイヤを少しずつ修正・追加する挿入式改正に大別される。

旧日本国有鉄道では数年おきに白紙改正が実施されていたが、その中でも1961年(昭和36年)10月に実施された通称「サン・ロク・トオ」や1968年(昭和43年)10月に実施された通称「ヨン・サン・トオ」と呼ばれるダイヤ改正は有名である。国鉄分割民営化後のJRでは白紙改正は行われていない。日本の鉄道網は既にほぼ完成されており、全国の列車ダイヤを一度に書き直すような大規模な改正は青函トンネル瀬戸大橋線の開通に伴う1988年3月13日・4月10日の改正以来無くなった。

現在JR各社のダイヤ改正は年1 - 2回程度、3月頃・10月(または12月)ごろに行われることが多い。改正の曜日は通勤・通学に影響を及ぼしにくい土曜日日曜日、また同時に新線や新駅の開業が行われることが多いため、六曜の大安が好まれ、仏滅は避けられる傾向がある。ダイヤ改正を行う契機としては、

  • 信号場あるいは待避線の新設・廃止による線路の輸送容量の見直し
  • カントのかさ上げや重軌条化、一線スルー化、保安装置の更新などに伴う列車の最高速度の変更
  • 複線複々線の新設による線路の輸送容量の増加
  • 電化、新型車両の投入などに伴う列車の最高速度・加減速度の変化又は1列車あたりの輸送容量の増減

などが挙げられる。また、乗入れや接続を行う路線のダイヤが改正されると一緒にその路線のダイヤも改正される場合が多い。JR各社の改正はその会社の管轄が広いことから影響を受ける範囲が大きいため、関係する地方の交通事業者では同時に改正を行うことが多い。また、日本の大手私鉄では近畿日本鉄道についても毎年3月頃にダイヤ変更が行われている。また、1990年代後半から2000年代初め頃までの間、JRグループは西日本地域は毎年3月頃、東日本地域は毎年10月(または12月)頃にダイヤ改正を行っていたが、最近では毎年3月頃に各会社まとめてダイヤを改正する。

またダイヤ作成の場において、鉄道事業者としては従来設定されていない列車の登場や利用率の低い列車の廃止なども予告されることがあり、特に営業上重要である新型車両の落成などによる優等列車の車両交代などはこの日を境として行われる事が多い。一般に改正日の始発列車から施行されるが、夜行列車については改正前日より改正後のダイヤで運行される場合もある。そうした場合を含め、日付をまたぐ列車については臨時列車として運行することが通例となっている。

ダイヤ改正により利便性が低下した場合、利用者などから「ダイヤ改悪」と揶揄されることもある。ただし、優等列車の本数や停車駅変更は利用者により利害が一致しない場合が多い。停車駅削減には削減対象駅の利用者や周辺施設などから反発が強いため、ダイヤ上の基幹となる列車種別を変更して実質的な停車駅削減を行う例なども見られる。

[編集] ヨーロッパの鉄道におけるダイヤ改正

ダイヤグラム(イタリア

国際列車が多数運転されているヨーロッパでは、鉄道のダイヤ改正は多くの国で一斉に実施される。近年の傾向として、国際列車が関係するダイヤ改正は、5月下旬~6月上旬(通称「夏ダイヤ」)または12月中旬(通称「冬ダイヤ」)に行われている。高速鉄道の開業も、概ねこのダイヤ改正にあわせて実施される。[2]

ただし、国によって改正日がずれることがあるほか(北欧諸国では毎年1月にダイヤ改正が行われることが多い)、国際列車に影響を及ぼさない場合は、上記以外の時期でもダイヤ改正が実施されることもある。

以前は「冬ダイヤ」の開始は9月 - 10月である事が多く、冬ダイヤより夏ダイヤの改正規模が大きかったが、近年は「冬ダイヤ」の開始は12月となっており、冬ダイヤの改正規模がより大きいのが一般的となっている。

  1. ^ 運行会社により呼び名が若干異なる場合があり、京王電鉄京阪電気鉄道2006年4月16日改定より、京阪も京王と同様に「改正」から「改定」に変更)、朝日新聞の紙面上では「ダイヤ改定」と呼んでいる。また、近畿日本鉄道では「ダイヤ変更」という言い方を使用したが、2007年に「ダイヤ改正」という言葉を用いた(しかし同年に伊賀線が再度ダイヤを変えた場合は従来どおり「ダイヤ変更」とし、2008年には再び「ダイヤ変更」に戻した)。
  2. ^ 例えば、2006年12月10日の改正ではドイツニュルンベルクインゴルシュタット高速新線が、2007年6月10日の改正ではフランスLGV東ヨーロッパ線が開業している。

[編集] 形態

[編集] パターンダイヤ

ダイヤを周期的に作成することがしばしば行われている。このように作られたダイヤを「パターンダイヤ」と呼び、その周期がn分であるとき、時間の間隔を取ってn分サイクルまたはn分パターン(またはn分ヘッド)のようにいう。nは多くの場合、5,10,12,15,20といった60約数である[1]。60の約数にすることで毎時の発車時刻が固定され、利用者にとっては記憶しやすいダイヤとなる。このため、フリークエントサービスを指す場合、高度に周期的なダイヤを設定することを指す場合が多い。

ダイヤの周期性を優先すると必ずしも旅客の動向に対し適切な量の列車が運行されるとは限らなくなるが、利用しやすくなるというメリットがある。そこで列車本数の多い大都市を中心に、特に複数の列車種別を運行する路線ではダイヤに周期性を持たせる事例が多くなってきている。このようなダイヤは日中に採用されることが多いが、利用客数の変化に応じて、1日の中で異なる周期を組み合わせることもしばしば行われる。また、阪神本線山陽電気鉄道本線のように乗り入れを行う路線同士が異なる周期を持っていることもある。

パターン化を行った場合、事故や遅延が発生した際にパターンダイヤが維持出来なくなる場合がある。過密な路線では数分の遅延が増幅されて渋滞になることがあり、遅延を回復するために列車の間引きや行先変更を逐次行って対応する場合もある。

ヨーロッパでは、ドイツスイスオランダベルギーオーストリアなどの鉄道に、全国規模でのパターンダイヤが構築されている。これらの国では主要駅において、毎時ほぼ同じ時刻に、異系統優等列車同士の接続が行われている。時間間隔は、国によって異なるが、概ね30分・60分・120分のいずれかとなっている。

[編集] 平行ダイヤ

鉄道の場合、原則として駅、信号所ないし信号機相互間(閉塞)区間当りに1列車しか運行できないことから、複線区間やラッシュ時においては時間あたりの運転本数の限界に達する事がままある。その際、通常は複数種別の列車が運行される路線でも列車種別を単一に設定し、列車の追越を行わず駅停車時間を短縮させるなどして運転本数を増加させる形態を取る場合がある。この時、ダイヤグラム上にはスジが平行に描かれることから「平行ダイヤ」と称される。なお、千鳥停車を併用し、速度向上を兼ねて停車駅を複数の駅に分散する形で優等列車を運行する場合もある。

[編集] ネットダイヤ

上記の平行ダイヤの類例として、単線区間において列車交換可能な駅や信号場のほとんどすべてで交換し、最大限に列車を設定する場合がある。この時、ダイヤグラム上ではの目の様に書かれていることから「ネットダイヤ」と称される。

[編集] 曜日ダイヤ・季節ダイヤ

大都市圏など曜日により移動の周期が異なる場合、その周期にあわせたダイヤグラムを組むことがある。こういった場合、主に平日土曜日日曜日とで構成や異なるダイヤグラムを組む場合が多い。

また、いわゆる繁忙期では季節ごとに組まれるものがある。こういったもので大規模かつ著名なものとしては外房線内房線京浜急行電鉄海水浴シーズンに行われた「海水浴ダイヤ」・「夏ダイヤ」である。


[編集] 間合い運用

詳細は間合い運用を参照

車両運用の効率性もダイヤグラムを作成する際の重要な要素である。列車により使用車両を限定する場合にはその車両の運用を優先する形でダイヤ作成が行われるが、使用車両を限定すれば回送列車や長時間運行されない編成が発生しやすく、これは運用上の無駄となる。そのため、閑散路線や通勤時などは車両の運用効率を高める為に特急形車両急行形車両など本来用途が限定された車両を異なる種別の営業列車に使用する事がある。これを一般に間合い運用と称する。

これには優等列車に使用する車両を普通列車快速列車に充当するというケースが多いが、広義には、通常とは異なる路線・列車種別で車両を運用することを指す。車両基地への回送線を利用した博多南線や、多くのホームライナーについてもこの間合い運用の1形態であり、一部の特急急行列車についてもこれに準じた運用がなされることもある。

[編集] 補完列車

補完列車とは、補助列車とも言い、運用上の基幹列車の輸送を補助する為に運行される列車のことを指す。ただし、このような言い方は必ずしも全ての列車が当てはまるとは限らず、あくまでも「補助・補完の役割を有する事がある」という程度の相対的な言い方である。おおよそ以下のものに分類できる。

需要が旺盛と認められる駅ないし時間帯を、列車が通過・非経由・運休する場合。
例:東海道新幹線に対する東海道本線の優等列車や上越新幹線とかつての「新特急」。
基幹列車に乗車できなくなった乗客の救済。一般に季節運転の臨時列車にはこの形態が多い。
ムーンライトながらに対する臨時列車の91号・92号。

なお、特急の続行運転など同等の列車を始発駅付近で続けて運行する場合、車両・編成内容などが大きく異なる場合がある。こういった場合は単に基幹列車・補完列車というより、性格が異なる別個の列車と見ることができる。


[編集] ダイヤの規模を測定する指標

ダイヤの規模を測定するためには、設定されている列車本数を数える方法がもっとも単純であるが、この方法では長距離列車と近距離列車が区別されない。このため、列車の走行距離を全て合計した列車キロでダイヤの規模が表される。一方、1本の列車の編成の長短により必要な車両数に影響が出るので、列車キロにさらに使用する車両数を掛けて車両キロも算出され、これが使用する車両数を検討する根拠となる。

列車キロ・車両キロでは距離を合計しているのに対して、運転される時間を合計して計算したものはトレインアワーカーアワーと呼ばれる。トレインアワーは、乗務員の拘束時間が計算できるため、必要となる乗務員数を検討する根拠となっている。

[編集] その他

[編集] 「上り」と「下り」

鉄道においては、原則として「鉄道要覧」などに掲載された戸籍上・登記上の始点に向かう方向「上り」であり、これと逆へ向かう方向が「下り」である。日本の鉄道路線は、多くが首都東京都区部の中心駅である東京駅に近い方向の駅を始点と定めているため、「上り」は東京駅に近づく方向、「下り」は東京駅から遠ざかる方向となる場合が多い。

従って、対岸同士を結ぶ路線は、本州では、太平洋岸や瀬戸内海岸に向かう方向が「上り」、日本海岸に向かう方向が「下り」となる路線が多い。四国では、瀬戸内海岸に向かう方向が「上り」、太平洋岸に向かう方向が「下り」となる路線が多い。

九州旅客鉄道の場合、開業時に最も東京寄りであった門司港駅を始点とした鹿児島本線を基準として「上り」「下り」を決定したため、その概念が狂う場合があることから、自社での案内を「○○駅方面」とする旨を告知している。

また、環状運転や、複数の路線を跨ぐ運行を行う運転系統では、「上り」「下り」という言い方をしない場合がある。以下に例を挙げる。

  • 京浜東北線湘南新宿ラインは「北行」「南行」と表現する。
  • 中央線・総武線各駅停車は千葉方面行きを「東行」もしくは「A線」、三鷹方面行きを「西行」もしくは「B線」という。
  • 横須賀線総武快速線ではそれぞれで「上り」「下り」と呼ぶが、両線を併せて表現する場合に千葉方面行きを「A線」、久里浜方面行きを「B線」と呼ぶ。
  • 環状運転を行う路線の場合、山手線大阪環状線では「外回り」「内回り」と表現し、名古屋市営地下鉄名城線では「右回り」(英語では「時計回り-Clockwise」)「左回り」(同「反時計回り-Counterclockwise」)と称する。なお、準環状運転となる伊予鉄道松山市内線はバスと同様に系統番号で案内している。
  • 東京都心部を貫通する路線を多く持つ東京地下鉄(東京メトロ)では、銀座線丸ノ内線を除き、開業時における起点から終点へ向かう方向を「A線」、その逆方向を「B線」と表現する。なお、駅ナンバリングはこれとは無関係に南西方向から北東方向へ向けて定められている。
  • 東京都交通局都営地下鉄)では、浅草線三田線では「南行」(なんこう)「北行」(ほっこう)、新宿線では「西行」(さいこう)「東行」(とうこう)と呼ぶ。また6の字運転をしている大江戸線では東京メトロと同様に「A線・B線」または「内回り・外回り」と呼称している。この場合、正式には前者であるが、後者を案内に用いることがおおい。

[編集] 列車番号・便名

鉄道の場合、列車を効率よく運行するために必要な管理番号として列車毎に与えられる列車番号がある。これに相当するものは路線バス航空機定期客船などにも存在する。

なお、航空機の場合、便番号、フライト番号などと呼ばれる。とりわけ、安全上外部より管理・管制をしなくてはならない航空機の場合、会社名と便号についても一定の規則が存在するが、一般的に航空会社コード+4桁までの数字が使われる。

[編集] 定期列車・定期便

一定の区間で定期的に運行されるものを指す。ダイヤグラムを平日・休日などで別個に定めている場合には平日のみ、あるいは休日のみ運行されるものも含まれる。対して、臨時に運行されるものを臨時列車・臨時便と称する。

海外航空航路・長距離船舶航路などでは、その所要時間から機材・船舶の運用行程が長く、1行程が1週間、或いはそれ以上となる場合が多い。便数が「週n便」と告知されるのはそういった事情があるためである。

[編集] 昼行と夜行

一般には、運行する時間帯により昼行列車または昼行便と、夜行列車または夜行便とに分かれる。その内、昼行とは、1日の内に始発駅から終着駅まで運行される列車を指す。

ただし、「1日の内に」というのは、0時をまたがるかどうかではなく、おおよそ終便と始便の間の深夜帯をまたがるかどうかで判断する。したがって、深夜24時を多少過ぎて終着駅に到着する列車は昼行とされる。逆に日付上は1日の間で運転されていても、深夜から翌朝に掛けて運転される列車は夜行とされる。例えば九州新幹線開業以前に運行されていた「ドリームつばめ」では、博多駅始発が0時を過ぎていたため日付上は1日で運行されているが、終着駅への到着が翌朝になるため夜行列車の扱いであった。

なお、路線バスの終車後に運行される深夜バスについては昼行便の延長であることが多い。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク