日経225オプション取引

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日経225オプション取引(にっけい225オプションとりひき)とは、日経平均株価を原資産とするオプション取引であり、大阪証券取引所に上場されている。日経225先物取引と並んで、日本を代表するデリバティブ取引であり現在日本でもっとも活発に取引されているオプション取引である。証券会社の広告等に記載されている「オプション取引」はほとんどこの「日経225オプション取引」のことを指す。

目次

[編集] 概要

オプションとは、「あらかじめ定められた期日(SQ算出日)に特定の資産(原資産。ここでは日経平均株価)を、あらかじめ決まった価格(権利行使価格)で売る権利(プット・オプション)または買う権利(コール・オプション)のことである。 また、これらの権利にはそれぞれ買い手と売り手が存在する。権利の買い手は、売り手に「オプション・プレミアム」と呼ばれる金額を支払うことになる。

[編集] オプション取引の利点とリスク

[編集] 利点

  • オプション買い方は、SQ算出日に原資産が権利行使価格を大幅に上回った(下回った)場合のみならず、SQ算出日前であっても原資産価格が大きく動けば、オプションの転売によって多額の利益を得ることができる。
  • オプション売り方は、原資産価格が思惑と反対方向に大きく動かない限り、かなりの高確率で利益を得ることができる。SQ算出日前であってもタイムディケイ(後述)の恩恵を受けることができる。
  • オプション同士、オプションと先物を組み合わせることによって多種多彩な戦略が組める。(後述)

[編集] リスク

  • オプションの買い方は、原資産価格が思惑通り動かなかった場合、投資金額の全額を失うことがある。ただし、損失は投資金額に限定される。
  • オプションの売り方は、原資産価格が思惑と逆の方向に大きく動いた場合は多額の損失をこうむる場合がある。この場合、損失額は無制限である。

[編集] 制度

[編集] 上場証券取引所

[編集] 立会時間

  • 前場…午前9時から11時
  • 後場…午後12時半から3時10分
  • 夕場…午後4時半から7時 (2008年10月14日より午後8時まで延長予定)

現物株式よりも後場の終了時間が10分長いのは、おもに現物取引を終えた投資家にヘッジポジションを取る余裕を与えるためである。「ロスタイム」などと呼ばれることもある。

[編集] 取引単位

日経225先物取引と同じく指数の1000倍単位。この最小取引単位を「1枚」という。 あるオプションを50円で1枚買った場合、1000倍の50,000円を売り手に支払うことになる。(手数料等を除く)

[編集] 限月取引

上述の「あらかじめ定められた期日」とは、毎月第2金曜日(当該日が休日の場合は前営業日)であり、その日までに反対売買されなかった建玉はすべて特別清算指数 (SQ) によって自動決済される。日経225オプション取引の限月は常に15個の限月が並行して存在する。

限月は、6月・12月のうち直近の10限月…(A)、3月・9月のうち直近の2限月…(B)、それ以外の直近の3限月…(C)となるように設定される。 たとえば、2008年10月1日現在を例にとると、 ・2008年10月限(C) ・2008年11月限(C) ・2008年12月限(A) ・2009年1月限(C) ・2009年3月限(B) ・2009年6月限(A) ・2009年9月限(B) ・2009年12月限(A) ・2010年6月限(A) ・2010年12月限(A) ・2011年6月限(A) ・2011年12月限(A) ・2012年6月限(A) ・2012年12月限(A) ・2013年6月限(A) となる。

[編集] 権利行使価格

権利行使価格は基本的に500円刻みで、ATMを中心に上下8本ずつ(合計17本)が常に存在するよう設定される。ただ一度設定された権利行使価格は必ずSQまで残るので、ATMが変動すると新規設定分が増えて17本より多くなっていくのが通例である。 また、残存期間が3ヶ月をきった銘柄は、ATMを中心に250円刻みで上下8本ずつが常に存在するように追加設定される。

ただしSQ日を含む週の営業日においては、常に上下8本ずつという条件を満たさなくともよいとされているため、サブプライム問題に端を発した世界的金融不安で株価が大暴落した2008年10月第2週には、10月限の9000円より下の権利行使価格の追加設定がなされず、ATMに近くなったプットの売り建玉を抱えた市場参加者が先物を大量に売ってヘッジしたので、負の連鎖で株価の暴落に拍車をかけた。

[編集] 呼値

プレミアムの呼値は、20円以下は1円刻み、20円以上1,000円以下は5円、1,000円以上は10円となる。

[編集] 値幅制限

権利行使価格に応じてプレミアムにも値幅制限があるが、最低でも2,000円であり、取引の多いアウト・オブ・ザ・マネーに関してはほぼないといってもよい。

[編集] 銘柄のあらわし方

各限月に複数の権利行使価格のプット・コールが存在するので、銘柄自体は非常に多い。一般的には限月+(PorC)+権利行使価格の上3桁で表す。たとえば5月限権利行使価格15,000円のコールは「05C150」と表記する。

[編集] 原資産と権利行使価格の関係

  • イン・ザ・マネー
    原資産が権利行使価格を上回っている状態を「イン・ザ・マネー」 (ITM) という。たとえば原資産15,500円のとき、権利行使価格15,000円のコールは差額の500円をすでに価値として持っている。これを「本質的価値」という。
  • アウト・オブ・ザ・マネー
    原資産が権利行使価格を下回っている状態を「アウト・オブ・ザ・マネー」 (OTM) という。たとえば原資産15,500円のとき、権利行使価格15,000円のプットは本質的価値はない。しかし実際にはいくらかのプレミアムがつく。これはSQ算出日まで日数があるためで、これを「時間的価値」という。いわば期待値である。
  • アット・ザ・マネー
    原資産が権利行使価格付近にある状態を「アット・ザ・マネー」 (ATM) という。原資産と権利行使価格がちょうど等しいとき、時間的価値は最大となる。

[編集] オプション・プレミアムを決める要素

オプション・プレミアムは、実際には買い方と売り方の需給で決まるのであるが、理論的には以下の要素で決まる。

  • 原資産価格
    一般的に原資産価格が上昇すればコールが高くなり、プットは安くなる。逆に原資産価格が下降すればコールは安くなり、プットは高くなる。
  • 権利行使価格
    コールもプットもOTMならば権利行使価格に近づくほど高くなる。逆に権利行使価格から離れるほど低くなる。ITMに入ると逆になる。
  • SQ算出日までの時間
    SQ算出日までの時間があればあるほど、原資産が権利行使価格に達する確率が高くなるので、コール・プットともに高くなる。
  • 金利配当
  • インプライド・ボラティリティ (IV)
    ボラティリティとは、原資産の変動の激しさの度合いである。これ以外の上記4要素とボラティリティでプレミアムの理論価格が決定される。逆に上記4要素を考慮し、プレミアムから逆算した値がインプライド・ボラティリティとなる。これは投資家が予測している今後の原資産の変動の激しさの度合いといえる。過去の原資産の変動の度合いは「ヒストリカル・ボラティリティ」と呼んで区別する。

[編集] ギリシャ指標

  • Δ(デルタ)
    原資産が1上昇するときプレミアムが上昇する割合。コールならば正の、プットならば負の値となる。また絶対値は、OTMで権利行使価格から離れるほど低くなり、ATMでほぼ0.5となり、ITMにはいると1に近づくが、1以上となることはない。しかし、たとえばデルタ0.2のコールは原資産が100円上昇すれば100×0.2で20円上昇するはずだが、実際そうはならない。後述のガンマによりデルタ自体が変化するからである。なおデルタは権利行使される確率も表している。
  • γ(ガンマ)
    原資産が1上昇するときデルタが上昇する割合。常に正の値でATMで最大となる。
  • κ(カッパ)もしくはヴェガ
    インプライド・ボラティリティ(IV)が1上昇するときプレミアムが上昇する割合。常に正の値でATM付近で最大となる。またSQ算出日までの日数の長いものほどヴェガは大きくなる。
  • Θ(セータ)
    1日の時間の経過により失われるオプションプレミアム。常に負の値。原資産が変わらなければSQ算出日に近づけば近づくほど権利行使できる確率が少なくなるため。この時間の経過を「タイム・ディケイ」という。

なお、オプションの買いの時はギリシャ指標の値に枚数を、売りの時は枚数×(-1)をそれぞれかける。

[編集] 多種多彩なオプション戦略

オプション取引はオプション同士、または先物とオプションを組み合わせることによって、幅広い戦略をとることが可能である。

[編集] 基本4類型

  • ロング・コール(コールの買)
    短期間で原資産価格が大きく上昇した場合に利益となる。利益の額は無制限、損失はプレミアムに限定される。
  • ショート・コール(コールの売)
    短期間で原資産価格が大きく上昇しない限り利益となる。利益の額はプレミアムに限定され、損失は無制限。
  • ロング・プット(プットの買)
    短期間で原資産価格が大きく下落した場合に利益となる。利益の額は無制限、損失はプレミアムに限定される。
  • ショート・プット(プットの売)
    短期間で原資産価格が大きく下落しない限り利益となる。利益の額はプレミアムに限定され、損失は無制限。

[編集] コンビネーション

同じ限月のコールとプットを組み合わせる戦略

  • ロング・ストラドル
    同じ権利行使価格のコールとプットを買うポジション。原資産価格が上下どちらであっても大きく動けば利益になるが、比較的投資金額が大きい。
  • ショート・ストラドル
    同じ権利行使価格のコールとプットを売るポジション。原資産価格がある一定の範囲に収まれば利益となる。
  • ロング・ストラングル
    OTMのコールとプットを買うポジション。原資産価格が上下どちらであってもかなり大きく動かないと利益にならないが、比較的投資金額が小さい。
  • ショート・ストラングル
    OTMのコールとプットを売るポジション。ショートストラドルと比べて利益は小さいが、原資産価格の許容範囲が広い。オプション取引で最も安定して収益を上げることができる戦略といわれる。

[編集] スプレッド

同種類のオプションを組み合わせる戦略

  • バーチカル・スプレッド
    同じ限月で権利行使価格の異なるコールの売りと買、プットの売りと買のポジション。
    • デビットスプレッド
      ATMに近いコールの買いと遠いコールの売りを組み合わせる。プットについても同様。基本的に前者は相場上昇で、後者は相場下落で利益となるが、利益・損失ともに限定される。
    • クレジットスプレッド
      ATMに近いコールの売りと遠いコールの買いを組み合わせる。プットについても同様。基本的に前者は相場下落で、後者は相場上昇で利益となるが、利益・損失ともに限定される。
    • レシオスプレッド
      デビットスプレッドでATMから遠めのコールまたはプットを、近めのものより2倍以上枚数を多く売る戦略。コールレシオスプレッドの場合、相場がほどほどに上昇した場合利益となるが、行き過ぎた上昇は逆に損失となる。いっぽう相場が横横ないし下落した場合の損益は当初の(売りの受取額)-(買いの支払額)となる。利益限定で損失無限大。
    • バックスプレッド
      クレジットスプレッドでATMから遠めのコールまたはプットを、近めのものより2倍以上枚数を多く買う戦略。プットバックスプレッドの場合、相場がほどほどに下落した場合損失となるが、行き過ぎた下落は逆に利益となる。いっぽう相場が横横ないし上昇した場合の損益は当初の(売りの受取額)-(買いの支払額)となる。利益無限大で損失限定。
  • ホリゾンタル・スプレッド
    権利行使価格が同じで、限月が異なるオプションの買と売りを組み合わせるポジション。タイム・ディケイの違いを利用して期先のオプションを買い、期近のオプションを売る「カレンダー・スプレッド」などがある。

[編集] 外部リンク