赤江瀑
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赤江 瀑(あかえ ばく、1933年4月22日 - )は、日本の小説家。主に芸能や工芸の世界やを舞台にした、耽美的、伝奇的な作風で、熱烈な支持者を持つ。
『オイディプスの刃』で第1回角川小説賞受賞。『海峡』『八雲が殺した』で泉鏡花文学賞を受賞。
目次 |
[編集] 経歴
- 1933年 山口県下関市で、教員の両親の間に生まれる。
- 1952年 溝口健二に憧れ映画監督を志し、日本大学芸術学部演劇科に入学。在学中は詩の同人誌「詩世紀」に参加。その後映画への意欲が薄れて、1955(昭和30)年に中退する。
- 1958年 放送作家となり、主にNHKのラジオ、TVドラマ、ドキュメンタリーなどを手掛ける。
- 1970年 「ニジンスキーの手」を『小説現代』に発表し、小説現代新人賞を受賞。以後、中間小説誌などに作品を発表する。
- 1972年 山口県芸術文化振興奨励賞を受ける。
- 1973年 『罪喰い』で直木賞候補。
- 1974年 『オイディプスの刃』で角川小説賞を受賞。
- 1975年 『金環食の影飾り』で直木賞候補。
- 1983年 『海峡』『八雲が殺した』で泉鏡花文学賞受賞。
[編集] 作品
デビュー作の『ニジンスキーの手』のバレエや、歌舞伎、能などの古典芸能の世界、『オイディプスの刃』の刀剣や『雪花葬刺し』の刺青師などの伝統工芸の世界、あるいは養蜂や捕鯨などの世界を舞台にした、芸道と生の間の葛藤や破滅を、官能的な筆致で描くことが多い。
そして磯田光一が『オイディプスの刃』について「この小説のオイディプス神話はひどく日本化されている」と評したように(角川文庫 解説)、日本的な情緒と死生観が濃密に漂っている。
瀬戸内晴美は「泉鏡花、永井荷風、谷崎潤一郎、岡本かの子、三島由紀夫といった系列の文学の系譜のつづき」として「中井英夫についで、この系譜に書き込まれるのはまさしく赤江瀑であらねばならぬ」とした。(講談社文庫『罪喰い』解説)
山尾悠子は赤江瀑作品のベスト5として、1「花夜叉殺し」、2「花曝れ首」、3「禽獣の門」、4「夜の藤十郎」、5 「罪喰い」または「春葬祭」あるいは「阿修羅花伝」(昭和56年6月現在)を挙げている。また小説現代新人賞の受賞の言葉で赤江瀑が引用したジャン・コクトーの「一度阿片を喫んだ者は、また喫む筈だ。阿片は待つことを知っている」を、赤江瀑の小説観をよく言い表した言葉としている。(講談社文庫『花曝れ首』解説)
[編集] 単行本
- 1971年 『獣林寺妖変』(講談社)
- 1974年 『ニジンスキーの手』(角川文庫)、『オイディプスの刃』(角川書店)、『罪喰い』(講談社)
- 1975年 『美神たちの黄泉』(角川書店)、『ポセイドン変幻』(新潮社)、『金環食の影飾り』(角川書店)
- 1976年 『鬼恋童』(講談社)、『熱帯雨林の客』(講談社)、『正倉院の矢』(文藝春秋)
- 1977年 『蝶の骨』(徳間書店)、『青帝の鉾』(文藝春秋)、『上空の城』(角川書店)、『野ざらし百鬼行』(文藝春秋)、『マルゴォの杯』(湯川書房)
- 1978年 『春喪祭』(徳間書店)、『アポロン達の午餐』(文藝春秋)、『殺し蜜狂い蜜』(未来工房)、『アニマルの謝肉祭』(主婦と生活社)
- 1979年 『絃歌恐れ野』(文藝春秋)、『芙蓉の睡り』(湯川書房)、『禽獣の門』(未来工房)
- 1980年 『原生花の森の司』(文藝春秋)、『海贄考』(徳間書店)、『アンダルシア幻花祭』(講談社)
- 1981年 『妖精たちの回廊』(中央公論社)、『舞え舞え断崖』(徳間書店)、『巨門星 天の部』(文藝春秋)
- 1982年 『鬼会』(講談社)、『風葬歌の調べ』(実業之日本社)
- 1983年 『海峡 この水の無明の真秀ろば』(白水社)、『春泥歌』(講談社)
- 1984年 『八雲が殺した』(文藝春秋)、『十二宮の夜』(講談社)
- 1986年 『遠臣たちの翼』(中央公論社)、『花酔い』(角川文庫)
- 1987年 『荊冠の耀き』(徳間書店)、『オルフェの水鏡 赤江瀑エッセイ鈔』(文藝春秋)
- 1989年 『舞え舞え断崖』(講談社)、『ガラ』(白水社)、『鬼会』(講談社)
- 1990年 『アルマンの奴隷』(文藝春秋)、『香草の船』(中央公論社)
- 1991年 『光堂』(徳間書店)
- 1992年 『京都小説集 其の壱 風幻』『京都小説集 其の弐 夢跡』(立風書房)
- 1993年 『月迷宮』(徳間書店)
- 1994年 『ポセイドン変幻』(集英社文庫)
- 1995年 『山陰山陽小説集 飛花』(立風書房)
- 1996年 『戯場国の森の眺め』(文藝春秋)
- 1997年 『霧ホテル』(講談社)、『弄月記』(徳間書店)
- 2000年 『星踊る綺羅の鳴く川』(講談社)
- 2001年 『虚空のランチ』(講談社ノベルス)
- 2003年 『日ぐらし御霊門』(徳間書店)
- 2007年 『狐の剃刀』(徳間書店)
[編集] 映画化作品
- 『白い肌の狩人 蝶の骨』(西村昭五郎監督、にっかつ、1978年)
- 『雪華葬刺し』(高林陽一監督、大映、1982年)
- 『オイディプスの刃』(成島東一郎監督、角川春樹事務所、1986年)
- 『くれないものがたり』(池田敏春監督、パイオニアLDC、1992年)
[編集] 漫画化作品
『Hiミステリー 1999年2月号』にて5作品が漫画化された
- 『水鏡の宮』花村えい子/『黒馬の翼に乗りて』橋本多佳子/『燿い川』つじいもとこ/『舞え舞え断崖』篠崎佳久子/『悪戯みち』井上洋子
[編集] 参考文献
- 『幻想文学』第57号 アトリエOCTA 「特集 伝綺燦爛―赤江瀑の世界」 ISBN 4900757578


