壬生義士伝
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南部盛岡藩の脱藩浪士・吉村貫一郎という実在した新選組隊士の生涯を描いた時代小説である。新選組で守銭奴と呼ばれ蔑まされた吉村貫一郎の義理と愛を貫く姿を描いた作品で、2000年に第13回柴田錬三郎賞を受賞した。
浅田次郎にとっては初の時代小説で、綿密に取材を重ねて執筆した作品である。『週刊文春』に1998年9月3日号から2000年3月30日号まで掲載され、文藝春秋より上下巻で2000年に単行本化、2002年に文庫化された。
目次 |
[編集] あらすじ
注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。
(小説版あらすじ) 慶応四年一月。鳥羽・伏見の戦いの大勢は決し、幕軍は潰走を始めていた。そんな中、大坂の盛岡藩蔵屋敷に満身創痍の侍が紛れ込む。かつて盛岡藩を脱藩し、新選組の隊士となった吉村貫一郎であった。保護を求める吉村に対し、蔵屋敷差配役であり吉村の旧友であった大野次郎右衛門は冷酷にも彼に切腹を命じる。 時は流れ、大正時代。吉村を知る人々によって彼の生涯が語られる。
(映画版あらすじ) 江戸時代が終わり、明治の御代となってのちの話である。感冒に罹患したと思われる孫を連れて、老人が町医者に駆け込んでくる。町医者は新天地である満州に医院を移すため、引っ越しの最中であった。医者の夫人が孫を診察し、老人は待合室で一息つく。ふと老人の目に、古びた一枚の写真が映った。その写真に写った武士は、老人のよく知る人物であった。老人は町医者に問わず語り、昔を思い出して行く。老人が昔「斎藤一」と呼ばれていた頃に出会った壬生狼、「吉村貫一郎」という男の生き様だった…
京都で血気盛んだった新選組の、入隊してきたばかりの吉村貫一郎と出会った頃から語り始める。
(テレビドラマ版あらすじ) 鳥羽・伏見の戦い。今や官軍となっていた薩長連合、対する会津藩兵らと新撰組は賊軍という立場に貶められた。戦況は不利かと思われ数名の藩兵らが撤退する最中、錦の御旗を掲げた薩長連合に向かって走り出し、勇ましく刀を抜き最後まで戦おうとする一人の男の姿があった。
男の名は吉村貫一郎――撃たれようとも立ち上がり、なおも戦おうとするその姿に、新撰組の仲間達は「逃げろ、お前は生き延びるんだ!」と叱咤激励し、彼を戦場から逃がす。
敗走した吉村は、あてもなく逃げ続けるが、道の向こうに懐かしい盛岡藩の藩紋を見つけた時、藁にもすがる思いでその藩紋を掲げた屋敷に飛び込んでいく。
それは、大阪にあった盛岡藩の蔵屋敷であり、そこには、かつての親友であり今は差配役となった大野次郎右衛門がいた。
だが、再会した親友の吉村に、大野が浴びせた言葉は「恥を知れ、この壬生狼めが!」と「潔く切腹しろ!」という怒号であった。
蔵屋敷の一間に通された吉村は、傷口から流れ出てくる大量の出血に呻きながら、故郷に遺した家族――妻子達を想い、これまでの生涯を回想する…――。
[編集] 書籍
- 『壬生義士伝』上、文藝春秋、2000年4月。ISBN 978-4-16-319140-9
- 『壬生義士伝』下、文藝春秋、2000年4月。ISBN 978-4-16-319150-8
- 『壬生義士伝』上(『文春文庫』)、文藝春秋、2002年9月。ISBN 978-4-16-764602-8
- 『壬生義士伝』下(『文春文庫』)、文藝春秋、2002年9月。ISBN 978-4-16-764603-5
[編集] ドラマ
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2002年1月2日に時代劇ドラマになった。(新春ワイド時代劇 「壬生義士伝〜新選組でいちばん強かった男〜」:テレビ東京)
- キャスト
- 吉村貫一郎:渡辺謙
- 吉村貫一郎(青年期):渡辺大
- 吉村嘉一郎:高杉瑞穂
- 斎藤一:竹中直人
- しづ:高島礼子
- しづ(少女期):安倍なつみ
- 佐助:村田雄浩
- ひさ:岸田今日子
- 大野次郎右衛門:内藤剛志
- 江藤彦左衛門:芦屋雁之助
- みよ:岡本綾
- おその:坂井真紀
- 藤吉:大富士
- 近藤勇:柄本明
- 土方歳三:伊原剛志
- 沖田総司:金子賢
- 伊東甲子太郎:萩原流行
- 永倉新八:遠藤憲一
- 井上源三郎:浅田次郎(特別出演)
- 藤堂平助:斎藤歩
- 原田左之助:大鶴義丹
- 谷三十郎:六平直政
- 平山五郎:國本鐘建
- 篠原泰之進:伊藤昌一
- 服部武雄:阿藤快
- 坂本龍馬:筧利夫
- おりょう:芥川貴子
- 中岡慎太郎:亀山忍
- 大久保利通:水上保広
- 黒田清隆:沖田さとし
- 中島三郎助:夏八木勲
- 八木源之丞:津川雅彦
- 主題歌
- CHAGE and ASKA「夢の飛礫」(作詞:CHAGE/作曲:CHAGE、Tom Watts/編曲:十川知司)
| テレビ東京 新世紀ワイド時代劇 | ||
|---|---|---|
| 前番組 | 番組名 | 次番組 |
|
宮本武蔵
(2001年) |
壬生義士伝〜新選組でいちばん強かった男〜
(2002年) |
|
[編集] 映画
| 壬生義士伝 | |
|---|---|
| 監督 | 滝田洋二郎 |
| 製作 | 松竹 テレビ東京 テレビ大阪 電通 衛星劇場 カルチュア・パブリシャーズ アイ・ビー・シー岩手放送 |
| 脚本 | 中島丈博 |
| 出演者 | 中井貴一 三宅裕司 村田雄浩 夏川結衣 中谷美紀 佐藤浩市 |
| 音楽 | 久石譲 |
| 撮影 | 浜田毅 |
| 編集 | 冨田功 富田伸子 |
| 配給 | 松竹 |
| 公開 | 2003年1月18日 |
| 上映時間 | 137分 |
| 製作国 | 日本 |
| 言語 | 日本語 |
| allcinema | |
| Variety Japan | |
| allmovie | |
| IMDb | |
企画段階では盛岡市出身の相米慎二が監督を務める予定だったが、2001年9月9日に急死したため2003年に滝田洋二郎監督により映画化した。2004年日本アカデミー賞の作品賞・最優秀主演男優賞(吉村貫一郎:中井貴一)・最優秀助演男優賞(斉藤一:佐藤浩市)を受賞した。
英語版のタイトルは『When the Last Sword Is Drawn』。
- キャスト
- 吉村貫一郎:中井貴一
- 斎藤一:佐藤浩市
- しづ・大野みつ:夏川結衣
- ぬい:中谷美紀
- 佐助:山田辰夫
- 大野次郎右衛門:三宅裕司
- 近藤勇:塩見三省
- 土方歳三:野村祐人
- 沖田総司:堺雅人
- 伊東甲子太郎:斎藤歩
- 永倉新八:比留間由哲
- 篠原泰之進:堀部圭亮
- 大久保利通:津田寛治
- 写真屋:木下ほうか
- 大野千秋:村田雄浩
- 大野千秋(青年期):伊藤淳史
- 徳川慶喜:伊藤英明
- スタッフ
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[編集] 漫画化作品
『コミックチャージ』(角川書店)2007年17号より連載中。作画はながやす巧。
[編集] 参考文献
- 文藝春秋編『浅田次郎新選組読本』、文藝春秋、2004年10月。ISBN 978-4-16-366260-2


