シーラカンス

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?シーラカンス目 Coelacanthiformes

Latimeria chalumnae
地質時代
古生代デヴォン紀 -
新生代第四紀完新世(現世)
分類
動物界 Animalia
脊索動物門 Chordata
亜門 脊椎動物亜門 Vertebrata
硬骨魚綱 Sarcopterygii
亜綱 総鰭亜綱 Coelacanthimorpha
シーラカンス目 Coelacanthiformes
学名
Coelacanthiformes
Berg, 1937
和名
シーラカンス目
英名
Coelacanth

シーラカンス学名Coelacanthus コエラカントゥス)は、肉鰭綱-総鰭亜綱(シーラカンス亜綱)-シーラカンス目(Coelacanthiformes)に属する魚類の総称。化石種も現生種も全てこれに含む。 他に、硬骨魚綱-肉鰭亜綱-総鰭上目-管椎目-ラティメリア科とするなど、複数の分類法がある。 加えて、標準和名「シーラカンス」は、現生種であるシーラカンス目-ラティメリア科-ラティメリア属の中の模式種 Latimeria chalumnae のみを指す場合も多い。

現生するラティメリア属は「生きている化石」の一つに数えられ、おそらくその中でも屈指の知名度をもつ。

目次

[編集] 呼称

[編集] 学名(ラテン語)

第一義に Coelacanthus とは、古生代デヴォン紀から中生代ジュラ紀までを生きた古代魚の1種(1genus Coelacanthus にあてられた学名であることを明記せねばならない。これを、学名(ラテン語発音)で「コエラカントゥス」と称す。 本項目で扱う生物群の中で最初に存在を確かめられ、研究され始めたものがこの種であるから、その名がにも)にも使われることとなったわけである。 学名 Coelacanthusギリシア語起源のラテン語による合成語で、「coel(-us) (=hollow、中空の) + acanth(-us) (=spine脊柱椎骨)」、「中空の背骨(を持つもの)」を意味している。 椎骨の内部が中空となっている解剖学的特徴に注目しての命名であった。

現生し、生きている化石として広く知られることとなった種は、Coelacanthus に類縁の一群の中の1属「ラティメリア属」であるが、これがあまりにも著名なため、学術的な模式であり元祖であるところのコエラカントゥス属を押し退けて、代表的な種として語られている、といった次第である。

[編集] 英語

Coelacanthus英語では格変化語尾 -us を失って Coelacanth に変わり、「セーラカンス(音声確認用資料[1])」といった発音をする。 英語は事実上の国際共通語であるため、Coelacanth の名は世界中で通用し、学名以上に普及しているかも知れない。しかし、あくまでこれは1言語における名称であって学名ではない。

[編集] 日本語

日本語における標準和名「シーラカンス」は、英語変化形 Coelacanth を基に、(しかし、英語準拠ではなく)日本語ふうに仮名転写されたものである。 学名と違って、おおもとのコエラカントゥス属(genus Coelacanthus)に対しては用いられず、そのことによって区別される[2]

しかし、コエラカントゥス属を模式属とする科は、「コエラカントゥス科」ではなく「シーラカンス科」と呼ばれていて、はなはだ誤解を誘う呼称となってしまっている。 「学名」の説で述べたことから分かるように、この混乱は日本語に独自の問題であり、学名では全てが「コエラカントゥス」に基づく発音で、すなわち、科は「コエラカントゥス科(Coelacanthidae)」である。

そして、現生のラティメリア属の中の模式種である Latimeria chalumnae (ラティメリア・カルムナエ)をも、最も狭義で「シーラカンス」と呼び、それを基準に2つ目の種 Latimeria menadoensis (ラティメリア・メナドエンシス)も「インドネシア・シーラカンス」と呼んでいるから、ますますもって話はややこしい。

要約すれば、日本人が「シーラカンス」と呼ぶ生き物は、コエラカントゥス属を模式としてある「シーラカンス類の全て」と、現生の「ラティメリア属の全て」、および、その1種であり模式種である「ラティメリア・カルムナエ」と、以上3つ(2グループ、1種)のことであり、これに加えて、コエラカントゥス属を模式属とする科に「シーラカンス科」の呼称がある。

[編集] シーラカンス目

[編集] シーラカンス目の概要

総鰭亜綱(シーラカンス亜綱)-シーラカンス目は絶滅属のコエラカントゥス属(genus Coelacanthus)を模式属とした絶滅科であるシーラカンス科(Coelacanthidae)を模式科とする分類群である。

総鰭亜綱は肺魚亜綱(ハイギョなど)とともに系統学的に魚類と陸上脊椎動物の分岐点にあたるものと考えられている。 化石がもたらす知見によって、シーラカンス目は古生代デヴォン紀に出現して広く世界の水域に栄えたが、約6,500万年前(中生代白亜紀末)の絶滅イベント(K-T境界)を境にほとんど全ての種が絶滅していることが明らかになっている。

長らくシーラカンス目は全て絶滅したものと考えられていたが、南アフリカにて1938年、現生種の存在が確認され、学会および世界を騒然とさせた。 この種が ラティメリア・カルムナエLatimeria chalumnae)であり、シーラカンスの代名詞となっていくものである。 その後、1997年にはインドネシアラティメリア・メナドエンシスLatimeria menadoensis)の現生が確認されている。 これは日本語では生息地域の名を採って「インドネシア・シーラカンス」とも呼ばれるようになる。 シーラカンス目は多くの化石種によって存在が知られており、白亜紀を最後に化石が途絶え、1938年に至るまで現生種が確認されなかったこと、化石種と現生種の間で形態的な差異がほとんど見られないことなどから、これら2種は「生きている化石」との評価を受けた。

古生代と中生代のシーラカンス目は、淡水域や浅い海に広く分布していたと考えられる。 体形・体長もさまざまなものが知られ、現生のラティメリア属に近い体形のものから、タイのように体高が高く扁平な体型をした種もいた。 また、復元された全長が3mに達する巨大な種も知られている。

「呼称」の節でも述べたように、Coelacanthus という語は「中空の背骨」を意味しているが、原始的で貧弱な椎骨の内部が空洞となっている特徴に名付けの意図がある。 その空洞内には液体が詰っている。 また、現生種で確認できたことであるが、(うきぶくろ)に詰っているのは、空気ではなく脂肪であった。 海水より比重の軽い脂肪を蓄えることで浮力を得ているのである。 化石からシーラカンス目は卵胎生であると推測されていたが、このことは現生種の解剖によって証明されている。なお、その卵は直径10cmを超える。シーラカンスは1mを超える大きな魚だが、それでも異常な大きさである。子もかなり成長が進んでおり、生まれ出てくる頃には既に体長30cm近くになっている。

[編集] シーラカンス目の種類

現生のシーラカンスは2種類しかおらず、両方とも深海に生息しているが、かつては世界中に分布していた。海だけでなく、川や湖など淡水に生息していた種類もいる。肉厚で太いヒレやずんぐりとした身体のイメージが強いシーラカンスだが、実際には多様な姿形を持つ魚である。

中には、アンコウのような丸い形をした物や、体長4mを超える巨大なものまでいた。

[編集] シーラカンス目の分類

?ラティメリア・カルムナエ

ラティメリア・カルムナエの液浸標本
種の保全状態評価
CRITICALLY ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
画像:Status iucn3.1 CR.svg
分類
動物界 Animalia
脊索動物門 Chordata
亜門 脊椎動物亜門 Vertebrata
硬骨魚綱 Sarcopterygii
亜綱 総鰭亜綱 Coelacanthimorpha
シーラカンス目 Coelacanthiformes
ラティメリア科 Latimeriidae
ラティメリア属 Latimeria 
Smith, 1939
ラティメリア・カルムナエ(シーラカンス) Latimeria chalumnae
学名
Latimeria chalumnae 
Smith, 1939
シノニム
Malania anjounae

[編集] シーラカンス(ラティメリア・カルムナエ)

シーラカンスラティメリア・カルムナエLatimeria chalumnae

インドネシアシーラカンスとともに現生するシーラカンス目の1種。ラティメリア属の模式種。 本来「シーラカンス」という言葉はシーラカンス目の総称であるが、日本語では Latimeria chalumnae にもあてられている。 また、「コモロシーラカンス」と呼ぶ研究者もいる。

[編集] 呼称:ラティメリア・カルムナエ

属名の Latimeria および、科名の Latimeriidae は現生シーラカンスの確認者であるラティマー(Latimer)の名に由来する(詳細は後述「シーラカンス現生の確認」にて)。 種小名の chalumnae は発見地のカルムナ川(Chalumna River:この川の河口で捕らえられた)に由来する。

この魚は、その存在を昔から知っていたコモロ諸島周辺の人々からは、肉が不味くて「使えない魚」との語義をもつ「ゴンベッサ」の名で呼ばれていた。 その価値が明らかになり高値で取引されるようになった現在、「ゴンベッサ」は一転、「幸運を呼ぶ魚」との肯定的な語義に変わっている。

[編集] 発見史:シーラカンス現生の確認

画像:Coelacanth and Courtenay-Latimer.jpg
ラティマーとシーラカンス

1938年12月22日南アフリカ南東部のインド洋のカルムナ川河口付近で漁をしていた漁船が見慣れない魚を捕獲した。 南アフリカのイースト・ロンドンの博物館員であるマージョリー・コートニー=ラティマーMarjorie Courtenay-Latimer、女性)は漁船から調査依頼の通報を受け調査するものの、どの文献に当たってもその魚の種を同定するに至らなかった。 そのため、知り合いの魚類学者ジェームズ・レナード・ブライアリー・スミスJames Leonard Brierley Smith)にその魚のスケッチを送り助言を求めた。 スケッチは簡単に描かれたものであったが、白亜紀末に絶滅したものと考えられていたシーラカンス類の特徴がはっきりと描かれていた。 スミスは剥製にされた標本を詳しく調査し、科学雑誌『ネイチャー』に新種のシーラカンス類の確認を発表。 ラティマー(Latimer)にちなんで属名 Latimeria および、科名を Latimeriidae とし、種小名を発見地のカルムナ川(Chalumna River)から採って chalumnae とした。 この確認は「世紀の大発見」として世界中に知れわたった。

この時の標本は、腐敗のため、頭と剥製用の皮膚しか保存することができなかった。 そのため、スミスたちは100ポンドの懸賞金を掛けた手配書を配って第2の標本を探し求める。 次の標本が捕獲されたのは14年後の1952年12月20日で、発見されたのは最初の発見地から3,000km近く離れたコモロ諸島のアンジュアン島であった(なお、この日は現在「シーラカンスの日」とされている)。 一刻も早く現地に到着するため、南アフリカ首相D・F・マランに特別機を仕立ててもらったスミスは、軟組織も保存されたシーラカンスの標本を得ることができた。 ところが、確保した個体には14年前のものと違って第1背鰭が見当たらない。 そこでスミスはこれを Latimeria 属とは別の属と考え、特別機を出してくれた首相に献名して Malania anjounae と名付けた。 しかし後になって、 Malania anjounae は事故などにより第1背鰭を失った L. chalumnae の個体であると判明し、コモロ諸島のシーラカンスもまた L. chalumnae であるとされた。 その後、コモロ諸島周辺で200尾以上が捕獲されているが、南アフリカ沿岸ではほとんど採取されないため、最初の標本はたまたま南アフリカ近海に迷い込んだものと考えられている。

[編集] 特徴

ラティメリア・カルムナエの液浸標本
(オーストリアのウィーン自然史博物館〈Naturhistorisches Museum〉)

[編集] 体格・鱗

体長は約1~2m、体重は100kgをゆうに超える。 体全体を硬いコズミン鱗がおおい、体色は黒に近い濃紺である。 ただしその色は、死ぬと灰色もしくは茶色に変色する。 (うろこ)には淡いピンク色の斑紋があり、その配置パターンは個体によって微細に異なっているため、研究者はこれを個体識別に使用している。 コズミン鱗は denticle (象牙粒、象牙質粒)と呼ばれる歯状の微細な突起物でおおわれていて、(よろい)の一種であるスケイルアーマーさながらの高い防備性が伺える。

[編集] 骨格

彼らは硬骨魚類の仲間ではあるがしかし、骨格はほぼ全て軟骨によって造られている。これは顕著な原始的特徴である。 より進化した硬骨魚では硬い背骨がある位置に、頭骨から尾鰭にまでつながる大きな脊柱が通っている。 背骨の代わりを果たしているこの脊柱は薄い軟骨性の管のような器官であり、中空になっている内部は油に似た流動体で満たされている。

また、内臓を保護するための肋骨などの骨格系を具えていないが、これは、体表面をびっしりとおおう硬質の鱗が内臓系を外的圧力から保護する役割、すなわち、肋骨と同じような役割を担っているものと考えられる。 岩場への衝突や捕食者の攻撃から身を守るのに役立っているのであろう。

[編集] 頭部

頭蓋骨は2つの大きなパーツからなっており、中央にある関節によって連結されている。 これは上下に可動域の広い構造を頭蓋骨の前部に与え、大きく開く口で獲物を捕らえ、呑み込むことを可能にしている。 また、頭蓋骨下部には一対の分厚い筋肉の付着があって強い咬合力[3]の源となっているが、これも現生の動物ではシーラカンス以外には見られない特徴である。

眼と聴覚器官は頭部前面に、脳と内耳は後方のパーツに納められている。

吻端に位置する鼻腔の中央にはゼリー状の嚢胞(のうほう)があり、この器官から外部に3つの孔(あな)が開いている。 「rostal 器官」と呼ばれるこの器官は、微弱電流を感知するためのもので、砂地などに隠れた獲物を探し出すのに用いられていると考えられる。

[編集]

ラティメリア・カルムナエの模型
オックスフォード大学自然史博物館)

彼らは多くの(ひれ)を有する総鰭類の進化系統であり、10基の鰭をもつ。 頭のほうから順に、胸鰭が一対(2基)、腹鰭が一対(2基)、背鰭は第一・第二・第三の計3基、臀鰭(尻鰭)は第一と第二の2基、そして、尾鰭が1基である。 しかし、第三背鰭・第二臀鰭・尾鰭の3基は最後尾で1基の尾鰭のように見え、これを1基と数えるなら、総計8基である。 胸鰭と腹鰭、第二背鰭と第一臀鰭の計6基には、腕のように骨格の確かな筋肉質の柄が具わっていて、これを用いてシーラカンスは自在に姿勢を調整する。 第二背鰭と第一臀鰭は、主たる推進器官である。

海底での様子が撮影されるまでは、カエルアンコウのように大きな胸鰭を使って海底を歩き回るのではないかと想像され、そのようなイラストも盛んに描かれていた。 しかし、観察に十分な映像記録がもたらされている現在では、柄付きの6基の鰭をそれぞれ単独で動かしながら器用に泳ぎ、ちょっとした横移動や後退なども行うことが確かめられている。

[編集] 生息環境・食性など

水深約200mの海底洞窟を中心として、深度約150~700mに生息する深海魚であり、主にコモロ諸島沖に分布している。水温・水圧の変化に弱い。 卵胎生。

胃内容物の調査から、魚類、イカなどを捕食しているとされる。 また、静かな海底で頭部を下に尾を上にした逆立ちのような姿勢で1点に静止している様子も撮影されている。 これは、そのあとの行動が撮影できていないのが惜しまれるが、おそらくは獲物を待ち受ける独特の捕食行動と思われる。

[編集]

現在までに解剖などの記録も取られており、シーラカンスには寄生虫がいることが判明している。 また、シーラカンスの肉にはワックスが含まれているため、大量に食べると下痢を起こす。 なお、日本の魚類学者末広恭雄によるとシーラカンスの肉は味が無く、歯ブラシのようで水っぽくて不味であり、食材には適さないとのことである。

[編集] 保護

L. chalumnae は現在、IUCNレッドリストにおいて「絶滅寸前」(CR : Critically Endangered)に分類されている。 また、ワシントン条約附属書 I にリストされていて、商業目的の取引は禁じられている。

?ラティメリア・メナドエンシス

ラティメリア・メナドエンシスの液浸標本
(日本、東京葛西臨海水族園
分類
動物界 Animalia
脊索動物門 Chordata
亜門 脊椎動物亜門 Vertebrata
硬骨魚綱 Sarcopterygii
亜綱 総鰭亜綱 Coelacanthimorpha
シーラカンス目 Coelacanthiformes
ラティメリア科 Latimeriidae
ラティメリア属 Latimeria 
Smith, 1939
ラティメリア・メナドエンシス
(インドネシアシーラカンス)
 Latimeria menadoensis 
Pouyaud et al., 1999
学名
Latimeria menadoensis 
Pouyaud et al., 1999

[編集] インドネシアシーラカンス(ラティメリア・メナドエンシス)

インドネシアシーラカンスラティメリア・メナドエンシスLatimeria menadoensis

ラティメリア・カルムナエ(Latimeria chalumnae、狭義のシーラカンス)とともに現生するシーラカンス目の1種で、インドネシアスラウェシ島沖に分布する。

[編集] 発見史:もう一つの現生

1997年9月18日、新婚旅行のためインドネシアのメナド・トゥア島(Manado Tua)を訪れていたカリフォルニア大学教授マーク・アードマン(Mark Erdmann)は市場で見慣れない魚を見つけた。 アードマンは外観の特徴からシーラカンスの1種であると同定。 ただし、個体の写真を撮るものの、購入し標本とすることをしなかった。 以後、漁民への聞き取り調査からスラウェシ島沖においてシーラカンスの生息を確認、1998年7月30日には初の標本を入手。 ラティメリア属の別種と確認され、Latimeria menadoensis (「メナド(メナド・トゥア島)産の、ラティメリア」の意)と命名された。

[編集] 特徴

体色は茶褐色である。 L. menadoensisL. chalumnae の形態的差異は鱗表面の色彩のみとされている。

最新のDNA分析では、2種の分岐が約4,000万年前から3,000万年前まで、すなわち新生代古第三紀始新世中期(バートニアン)から漸新世前期ルペリアンあたりまで遡ることが示唆されている(Inoue et al. 2005)。ただし、これら2種を同一種と見なす説もある。

2006年5月30日(現地時間8時39分)には、自走式水中カメラ(ROV)などを駆使する日本のアクアマリンふくしま福島県いわき市)のシーラカンス調査隊が、スラウェシ島沖にて、生きたインドネシアシーラカンスの撮影に成功している(グリーンアイプロジェクト)。

現地でのこの魚の呼称は「ラジャ・ラウト」、「海の王様」を意味するものである。



[編集] シーラカンスの文化的側面

シーラカンスは諸々の創作物の表現者にモチーフとして好まれるところがあるかも知れない。 その理由として第一に、生きている化石の代表的な一つであることが大きいのであろう。人智を超える地質学的な時代の流れや悠久の時間そのものの存在感を具象化するものとして描かれることもあった[4]

また、造形に魅力を見出す者はそれを直にデザインに採り入れる。 例えば陶磁器メーカー・ロイヤルコペンハーゲンでは、デザイナー ヤンネ・グルト(Jeanne Grut)の手になる青いシーラカンスの作品(2種)を作り、『ブルー・フィッシュ』シリーズ[5]と銘打っている[6]

その他、大衆文化のなかにも多くが見られる。 シーラカンスを生態そのままに描き出そうとする作品としてはダイビングをテーマとしたゲーム『FOREVER BLUE』が挙げられる。 また、日本の漫画家・矢口高雄は作品『釣りバカたち』の中で、日本人の登場人物(筆者がモデル)をコモロに渡航させ、現地の漁師の指導のもとシーラカンスを釣り上げる場面を描いている。 発想の雛形(ひながた)としてシーラカンスがあるものとしては 『ポケットモンスター』シリーズの一キャラクター「ジーランス(英語名:Relicanth[7])」や『デジタルモンスター』シリーズの「シーラモン」、ゲーム『ダライアス』シリーズに登場の「キングフォスル[8]などが挙げられよう。

[編集] 脚注

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  1. ^ Coelacanth - howjsay.com :当該文字にカーソルを合わせれば繰り返し聴取可能。
  2. ^ 学名の場合は固有名の前に"Genus"などの階級名を付けるため、自ずと区別されている。
  3. ^ こうごう-りょく。上下の顎を咬み合わせる力。
  4. ^ 押井守監督のアニメ作品『天使のたまご』(1986年)もその一例。抽象的表現物として比重の大きい描かれ方をしている。
  5. ^ "Blue Fish" series - Royal Copenhagen website
  6. ^ 1963年に生産が開始され、現在に至る。1972年(昭和47年)、昭和天皇香淳皇后が訪欧した際にはこれが献上された。
  7. ^ Wikipedia:Italia:"Relicanth"
  8. ^ シーラカンスをモチーフとした敵のボスで、シンボル的キャラクターの一つになっている。

[編集] 関連項目

[編集] 参考文献、外部リンク

  1. シーラカンス 2 種の分岐年代推定.J. G. Inoue, M. Miya, B. Venkatesh, M. Nishida, "The mitochondrial genome of Indonesian coelacanth Latimeria menadoensis(Sarcopterygii: Coelacanthiformes) and divergence time estimation between the two coelacanths," Gene 349, pp. 227-235(2005).
  2. 東京工業大学大学院 岡田研究室 シーラカンス班 シーラカンスの形態、分子系統の説明、タンザニアから検体の移送の様子など
  3. 「シーラカンス展」 海響館による特別展向けの資料
  4. 雑誌『生物の科学 遺伝』2006年11月 シーラカンス ~生態・解剖・ゲノム解析~
  5. Coelacanth - MarineBio.org
  6. PBS: NOVA - Anatomy of the Coelacanth
  7. Coelacanth - the fish out of time - DINOFISH.com