函館ラーメン
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函館ラーメン(はこだてラーメン)とは、北海道函館市周辺で昔から単に支那そば,ラーメンと呼ばれている,一般的には塩ラーメンと呼ばれているラーメンで,豚骨,鶏ガラ等の透明な塩味スープに柔らかめのストレート麺,基本的に,チャーシュー,メンマ,長ネギ,ホウレン草、麩もしくはナルトのシンプルな具で構成されているのが特徴である。
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[編集] 歴史
発祥については諸説存在するが、開港地であった函館のラーメン発祥そのものが,日本におけるラーメン発祥に関わる。
明治17年(1884年),当時の函館新聞に,函館船場町(現・函館市末広町)に開店した華僑の経営による洋食店,「南京御料理 養和軒 アヨン」4月28日付の広告にその発祥がうかがい知ることができる。広告には,「南京そば15銭」の記載がある。一般的にいわれる日本のラーメン発祥といわれるのが,東京浅草の「来々軒」が明治43年(1910年)に支那そばを発売したといわれるが,養和軒の「南京そば」がラーメンのルーツであるならば,函館がラーメンの発祥であるとも考えられる。ただ,この南京そばと現在のラーメンとの関連性を正確に示す,レシピなどの資料は発見されていない。
古くからの開港地であった函館には,集積する昆布などの海産物の買い付けに,多数の華僑が訪れ,当時の函館の人が彼らを「広東さん」と呼称していたことから,江南出身の華僑が多く,函館における支那そば(ラーメン)のまっすぐの麺と澄んだスープの特徴からも,ルーツは広東系の塩味の湯麺であることが推測される。昭和10年(1935年)のスナップ写真に「支那そば」笑福の文字が確認できるものがあり,この頃には「支那そば」を専門に扱う「ラーメン屋」が既に存在していた事がわかる。また,この「笑福」の隣で営業していた純喫茶「ミス潤」に残っている昭和7年(1932年)のメニューには,ケーキやみつ豆と並んで「ラーメン(支那そば)15銭」との記載があり,隣の笑福から壁の小窓越しにラーメンを客に提供していたという。また,当時を知る人は,このラーメンはまっすぐの細麺と,澄んだスープのあっさり味だったという。このように昭和初期の函館市民にはすでに「ラーメン」という言葉が市民権を得ていたと考えられる。
いくたびかの大火を経て,函館の繁華街は駅前の方に移動していったが,支那そばも自然と「ラーメン」と呼ばれるようになり,昭和20年代から30年代にかけて,大門と呼ばれる松風町地区にたくさんのラーメン屋台や,大八車の流し屋台が軒を連ねるようになった。区画整理やバブル時代の土地高騰等により,これらの屋台はほとんど見られなくなったが,札幌ラーメンのブームと共に,塩味の「函館ラーメン」の認識が高まり,市内各所に専門店が老舗,若手相まって点在するほか,流し屋台の派生である「バスラーメン」が市内を流している。
[編集] 函館ラーメンの呼称
「函館ラーメン」という呼称はごく最近のもので,味噌味のラーメンである「札幌ラーメン」が顕在化した頃,いわゆるご当地ラーメンの呼称として,函館ラーメンなる呼称が生まれたと考えられる。
もともと函館においては過去から一般的に「ラーメン」もしくは「支那そば」と呼ばれていたものが塩味ベースのシンプルなものであったために,味噌ラーメン,醤油ラーメンの対語として塩ラーメンという呼称すらも自然発生したものと考えられる。札幌ラーメンの呼称が一般化したのと合わせて函館ラーメンという呼称がいつしかいわれるようになったと考えていいが,平成13年(2001年)に,北海道のラーメンという括りで北海道遺産に指定されたうえで,「函館ラーメン」が固有名詞になったということがいえる。
函館の中華料理店でメニューに「塩ラーメン」の文字が現れたのはごく最近である。 それまでは,メニューにも「ラーメン」「醤油ラーメン」「味噌ラーメン」というように,函館ではラーメンとはそもそも塩味の透明スープが自明のものであり,あえて塩ラーメンとか函館ラーメンというような呼称をする必要はなかったが,味噌や醤油が顕在化するにつれ,これらと区別するためにあえて「塩」をつけてわかりやすくしたと言える。したがって,「函館ラーメン」というよう呼称は,ご当地ラーメンの呼称が一般化したときに,どこかでつけられたものであって,いわば観光客向けのものであるという意識が函館では強い。
したがって地元においては「函館ラーメン」という呼称はむしろ一般的ではない。
[編集] 特徴
スープは豚骨、鶏ガラを使った澄んだ塩味が主流。麺は中太のストレート麺。豚骨を弱火で沸騰させないことによって,白濁しない澄んだスープにする。具は基本的にメンマ,モモ肉チャーシュー,麩もしくはナルト,ほうれん草および長ネギである。東京においての支那そばが日本人の味覚に合うように醤油味や魚介類の出汁をブレンドしたスープであるのに対し,函館のラーメンはあくまでも中華料理の獣系のスープを,過去から伝統的に継承しているのが特徴であるとされている。
近年、「ご当地ラーメン」の認識が定着する中で、函館以外の土地においても、いわゆる「塩味のラーメン」が函館ラーメンであるとする新興店も多くなり、澄んだ塩味とストレート麺が特徴とするほかは、魚介系の合わせ出汁であったり、鶏ガラスープであったり、具も魚介類を載せたりと、店によって多少の違いはあるものの、これらも総称して「函館ラーメン」と称していることが多い。ただ、地元函館の中華料理店では「元祖」と称する老舗もあり、古くからの伝統の存在を主張している。
[編集] 参考文献
函館市史余話 その18「華僑経営の洋食店」
函館市史

